昨年、投稿サイトNoteにある、野本響子さんのNoteを一時購読していました。
野本さんはマレーシアで十代の息子さんと暮らしていて、現地の教育事情について説明されています。なぜ野本さんが書かれていることに興味をもったかというのは、海外の教育や、外国人の教育観とか知りたかったからです。子どもを産み、育てていると、教育(指導要領の変更)や、教育産業に大きく影響を受け続けるイメージがあります。で、いざ子どもが小学生になると、英語だプログラミングだとか、今の時代必要なことは頭では理解しているし、そういうニュースを自ら探しにいくけれど、それを子どもに家庭でどう触れさせればいいか分からないし、学校教育がどう対応しているのか気になるし。また、今、子どもに関する問題を抱え始めているということもあって、野本さんの新刊 子どもが教育を選ぶ時代へ(集英社新書)を読みました。
感想を二つ、まとめてみました。
学校を変えてもいいんだ
子どもの都合で学校を変えることは、私立から公立に移るぐらいしか、私の記憶にはなかったけれど、自由に変えていいんですね。本の中には、外国の方(親)も子どものことで悩み、いろいろな学校を探している様子が書かれていて、親近感がわいたし、そこから別の学校にたどりつくストーリー(子どもの様子がポジティブにかわっていく)に感動しました。
いくつかの学校を渡り歩いて行くことが、何も恥ずかしいことでもなく、大人も子どもも理解している、見守っているというものなんでしょうか。「良かれ」と思って言われる意見とか存在しないのかな、関係ないですよね。とにかく子どもファーストなんでしょうね。
日本の不登校の児童、生徒数は2020年で20万人いるとのこと。原因は様々だけど、学校に行けない、困っている子どもたち。この本を読んで、ポジティブに、前向きに生きれる、学びができる幸せを持ってほしいと素直に思いました。その形は、都心、地方に関係なく、一つでなく、バラエティ豊かであってほしいです。
ホームスクールって何?
「ホームスクール」という言葉を知りました。無認可の教育機関とのこと。学校に行かず、家で学ぶスタイルを選択するというのは、親も子も大きな決断だと思います。でも通っている学校の中で努力してもうまくいかなければ、選択肢が他になければ、選ぶかもしれない・・・。
発達障害という言葉が使われるようになって、その種類などが知られるようになり、状況にあった学びも学校で行われるようになっています。不登校に合う学び方の一つとしてホームスクールも広く知られ、認められたらいいのにと思いました。知ったばかりなので、日本のホームスクールについてこれから調べてみたいと思います。
野本さんはVoicyもされていて、様々な学びを体験している息子さんの声も聞けて、本と共に、教育について時空を超えて広い空から眺めるような感覚をもてたというのは、私にとって一番の発見でした。
また、ホームスクールで育った、学んだ人の感想をもっと知りたいと思いました。学校に通えば集団生活を体験できるけれど、「それがなくても、別のこと学べたよ。大丈夫だよ」みたいな。(私が安心したいだけの気持ちかもしれないけれど)
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本の中で、「誰にでも合う完全な教育は存在しない」と書かれていました。本当にそう思います。人間(子ども、大人)自体、多様であるから、教育を受ける人、提供する人も、制度も多様性を受け入れてほしいです。と同時に、やはり親自身の価値観の見直しも大事だなと思いました。自分の経験、過去は横に置いておく作業が必要です。知識の詰め込みだけではこれから生きていけないし、AIに勝てるとも思えません。
新しいことが生まれる、レアなケースが、数年後にはレアじゃなくなることもあるでしょう。人の心も移り変わり、新しいサービス・製品も生まれ、もう卵が先か、鶏が先かわからなくなるけど、生きている人間、大人がよく吟味して、必要があれば制度とかも変えていかなければならないこともあるでしょう。
温暖化問題で声を挙げたグレタ・トゥーンベリさんはスウェーデンの方。スウェーデンの教育は、調べてみると、自ら考え、行動していく教育だとか。そのベースがあってグレタさんのような、子どもの頃から意見もって、行動するという姿がでてくるのでしょう。みんながみんなグレタさんのようになる必要はなくて、それぞれで身の回りで起こっていることに疑問があれば声にだし、世の中がいい方向へつながって、年齢に関係なく全世代が社会を考える構造ができるのかなと思いました。そうであれば、社会問題、女性の社会進出とか、そういったもろもろのことも、垣根を跳び越えて解決というのか分からないけど、新しい社会が生まれることが目的ではないけれど、よりよい状態を作っていけるかなと思います。
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子どもとの雑談が必要だなと思っていた最中に、この本を読みました。子どもは、「○○知ってる?」とよく聞きます。私が「知らない」と答えると、得意げに説明してくれます。もう親から教えられたくない気持ちでいっぱいのようで。知ってる、知ってないのところから、こうしたらどうなるだろう・・・とか話を膨らませることができたらと思います。